ギターの録音をiPadで行いたい

最近は、メジャーレーベルに所属するバンドでも、ドラムやボーカル以外のパートはスタジオではなく自宅や会議室などで録音することが珍しくないらしい。

ギター・ベースに関しても、アンプシミュレーターは着実に進化していて、SPITZもKemperユーザーのようだ。

ARTISTS GALLERY | kemper

さて、ふと数年ぶりにギターを録音しようと思った。久しぶりにオーディオインターフェイスを接続してDAWを起動して、録音の準備をしようとしたのだが、5-6年前の機材やソフトウェアは最新のmacOSはサポート外になってしまっていた。

止むを得ず、新しくDAWインターフェイスを購入しようと思ったのだが、今年は「なるべくPCの利用を避け、タブレットを使って生活する」という目標を掲げているので、ギターの録音もiPadで行えないかと考えた。

 もともとmacOS版のAmpliTubeユーザで、AmpliTubeを結構気に入っていたこともあり、同じIK MultimediaのiRig HD 2を購入した。早速、適当なオケを作って録音をしてみた。(本当はオケを作るのもタブレットでやりたかったが、さすがにまだ早そうだった)

iRig HD 2はmacOSにも対応しているので、タブレット専用にならず、そのままmacOSのオーディオインターフェイスとして使えるという特徴があるので、試すのには最適だった。

よかった点

もともとアナログ版のiRigも持っていたのだが、iRig HD 2でデジタルになり、音質がだいぶ改善されていた。iPad版AmpliTubeアプリも、昔試した時に比べると大分使いやすくなっていて、音も悪くない。

録音したフレーズはエフェクトをかける前の生音の状態でもPCに転送することができるので、とった後で音質を落とさずにPCで再調整できるのが嬉しい。

iPadは設置場所を選ばないのでギターを弾きながら操作する上で都合が良い場所における。パソコンで録音していた頃、デスクの前に座り、ギターを抱えながらマウスで録音の操作をするのはそこそこ体勢的に大変だったが、その点はタブレットの方が融通が効く。

よくない点

タッチパネルは、物理キーに比べると操作ミスが起きやすく、操作に集中力が必要になる。録音に入る直前にここで集中力が必要とされるのは、若干ストレスに感じる。

AmpliTubeアプリも大分操作性が改善されているとはいえ、やはりタブレットで細かいエディットをするのは現実的に難しい。フレーズの合間に微妙にノイズが入ってしまったような場合に、PCのDAWだったらすぐにその部分だけミュートすることができるが、タブレット上でこれをやろうとすると、なかなか大変だ。フェードイン・フェードアウト・微妙なボリューム調整などもタブレット上で完結させるのは現実的に難しいので、現時点では最終的な調整はPC上でやる必要がありそうだ。

DAWとの連携はやはり面倒臭い。最終的なミックスはPCのDAW上で行うことになるが、タブレット上で録音したトラックをPCに転送したり、PCで作ったオケをタブレットに転送する作業が非常に煩わしい。ここがシームレスに連携してくれたら最高なのだが、これは共通の規格でもできない限り難しいだろう。せめて、Dropbox経由で転送・同期できると嬉しいのだが…。

結論

不便な点はいくつかあるものの、実用に耐えないというレベルではない。PCに比べると、タブレットの方がどこでも気軽に録音を開始できるというメリットがあるので、少なくともデモや仮の録音をする場合はタブレットでも全然問題なさそう。

人に聴かせるものとして、ある程度調整をするのはまだPCじゃないと厳しそうだ。なので、タブレットは録音専用、その後PCで調整をする、という使い方が現実的だ。

追記

プロジェクトがワンタップで確認なしで削除されてしまう仕様、なんとかしてほしい。。